現在、当センターでは昨年の新型コロナ感染拡大の影響による緊急事態宣言発出に伴い行われた一斉休校明けから不登校になったというケースの支援の問い合わせを多くいただいております。
今回は、その影響を受け不登校状態になったケースの復学事例をご紹介いたします。

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みなさん、こんにちは
どんきー先生です


今回の記事では復学支援事例をご紹介いたします。


【中1 女子 不登校】

お問い合わせをいただいたのは夏休み明けたころでした。
その時点ではコロナ休校明けから登校できず、夏休み明けの登校もできずにいたという状況でお問い合わせをいただきました。
まずは、子どもが学校に行かなくなった経緯を確認しました。

〈不登校になった経緯〉
・中学受験をして中学校に入ったが、入学早々コロナ休校になり、休校中の課題が進められなかった。
・分散登校が始まり、初日は登校したが、「自分だけ課題ができていなかった。もう学校行くの嫌だ」と言い、次の分散登校する日から学校に行かなくなる。(のちのち学校に確認すると彼女だけではなく他にも課題ができていなかった子もいた)
・分散登校も終わり通常登校になってからも学校に行かず。
・学校の先生が家庭訪問をしてくださり、課題などはできていなくても良いと配慮をいただいたがそれでも「もういやだ」と子どもは言い、登校せず。

というような、経緯があったようです。
次に、家庭の状況を確認しました。

〈問い合わせいただいた時点での家庭の状況〉
・毎朝、学校に行くように親から促してはいるが子どもは布団にくるまり動かない。
・子どもは昼間、元気で動画を観たりテレビを観て過ごす。
・子どもは夜になるにつれて少しずつ元気がなくなっていく。
・子どもの生活は昼夜逆転まではいかない。
・子どもから親への要求が増えて親が断ると「なんで?!」と言って荒れる。
・親御さんから子どもへの指示、提案が多く、それに対して子どもの反発がひどく出ている状態。

というような状況でした。

このような状況から、彼女が不登校状態にある原因は「課題が出来ていない」ことをきっかけにコロナ休校という大きな環境変化が伴ったことで「学校環境に対して不適応」を起こしてしまったことにあり、その原因を取り除くためには家庭が彼女への接し方を変え、彼女が「学校に適応」できるよう家庭の環境を整えてあげることが必要だと分析することができました。


そして、支援を開始し、さらにお子さんの性格傾向の分析をすすめていきました。

〈子どもの性格傾向〉
・完璧主義傾向
・嫌なことから逃げがち
・柔軟性がない
・人を頼ることが下手
・繊細過ぎる
・思い込みが激しい


といった部分が見えてきました。
なかなか何事においても「こうしなくちゃ」という自分の考えが強く「まぁ、いっか」と力を抜くことができないところがあり、自分の主張が通らないと「なんで?」「なんで?」と食い下がり納得できないと反発する、さらに、周りの目が気になりできない自分を見られたら「変だ」と思われると思い込んでいる傾向が見受けられました。

子の性格傾向をガラッと変えることはなかなか難しいですが、家庭が少し接し方を変え、彼女に合った対応をしてやることで「学校環境に適応」できるよう環境を整えることができる可能性は考えられました。そこで以下の対応を家庭で実践していただきました。

〈家庭の対応〉
・朝の登校を促す対応を止める
・極力、親からの発信を控え、子どもからの発信を待つ
・指示、提案はやめ、子ども自身に考えさせる時間を与える
・子どもが失敗しても責めない
・頑張ったことは労う
・家庭のルールは守る、守らせる

という対応を家庭において実践していただきました。

そして、支援を開始してから約2か月ほど経ち、彼女の様子に少しずつ変化が見られ始めました。

〈子どもの変化〉
・荒れることはほとんどなくなり落ち着きが見られる。
・多少、思い通りにいかないことがあっても「なんで?」と食い下がらなくなった。
・彼女からの発信が増え、親子の会話のほとんどが彼女から始まるようになった
・学校のことを気にする発言が出始めた


というような変化がみられてきました。
まだまだ、柔軟性という部分では「まぁ、いっか」とはならないところも見受けられましたが、それでも十分な変化が見られました。
また、学校の話も出始めたことからもすこしずつ学校に対して前向きになってきたように見受けられました。

とはいえ、一人だけでは学校に再び戻るということに対してはハードルが高く動き出す「きっかけ」や「どうすればいいのか」というところが子ども自身もわかっていないように見受けられました。
その様子から、彼女が学校に再び行くためには適切にサポートしてあげる必要があると判断し、親御さんとも十分相談したうえで、ダイレクトアプローチによる訪問カウンセリングを行うことを決めました。


訪問カウンセリングでは、学校を休み始めたきっかけ、今後学校についてどう考えているのか、など確認しました。

〈訪問カウンセリングにて確認できた子どもの話〉
・学校を休み始めたのは課題が出来なかったから
・学校には行かなくてはいけないと思っている
・でも、もう無理だとあきらめていた
・学校を休み続けたことで親に心配をかけているのはわかっている
・学校に行ってない間の生活は自分がこのまま何もできないんじゃないかと不安ばかりだった

というような内容で話てくれました。

私たちからはその不安を共感したうえで、「学校に行く」ことをあきらめる必要はないこと、学校に行くためのサポートができること、具体的に学校に戻るためにはどのような準備が必要か、などを話ました。

彼女自身も不安な生活を過ごし、暗闇の中にいたのだと思います。
最初に会った彼女の表情は暗くうつろな表情でしたが、私たちのできるサポート内容を話している間、それを聴いていた彼女の表情は明るかったように思います。
どうしていいかわからず悩み苦しんでいた彼女にとって具体的にどうすればよいかわかったことがこの表情につながったのでしょう。


この日から彼女とカウンセラーとの二人三脚での復学に向けての準備が始まりました。
準備中、彼女は憑き物が取れたかのように前向きに準備を進めてくれました。
カウンセラーとの関係も良好で、時には一緒に遊び、一緒にご飯を食べたり、終始明るい雰囲気で約一ヶ月の準備期間を過ごすことができました。


そして、復学当日を迎えました。

復学日当日はさすがに彼女の表情には緊張した様子が見受けられました。
しかし、カウンセラーがその緊張を適度に解してやることで、緊張しすぎて動けないということはなく、時折笑顔も見られながら、登校路を歩んでいきました。


復学してから、何度か学校を休んでしまう日もありますが、カウンセラーが継続的にサポートすることで何日も連続で休むようなことはなく、継続して登校を頑張っています。

継続して登校することで彼女の成長も見られました。

〈成長した点〉
・「まぁ、いっか」と割り切れることが増えてきた
・上手にカウンセラーと友達、先生、親を頼れるようになってきた
・嫌なこともある程度割り切れるようになってきた
・「なんで?」と言わなくなった


というような成長が見られました。

学校に行きつつ、家庭の対応の変化があったことで、さらに成長が見られたのだと思います。

親御さんからも「たまに休むことがあっても、それが彼女の成長にとって必要な失敗と思えることができるようになった」というようなお話をいただきました。



コロナ禍の大きな環境変化は子どもたちの生活にも影響を与えていますが、根本のところでは、その変化に適応できる能力があるのだと思います。
その能力を家庭が信じ、適切にサポートすることで今回のように復学に結び付くケースもあります。

今後もこのようなケースが一つでも増えるよう「親子の笑顔のために」活動していきます。


それでは、また次回


※当センターの訪問カウンセリング支援では、カウンセラーのマスク着用、手洗い、アルコール消毒、換気に気を付け、徹底した感染対策の元、親御さんの許可を得てサポートをしています。


※あくまでペアレンツキャンプにおける復学支援のケースから一例をご紹介いたしました。なにかの参考程度にみていただき、家庭だけで判断するのではなく専門家にご相談されることをお勧めいたします。



どんきー先生




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