皆さんこんにちは
きりこまち先生です

暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょう
冷夏で始まった今年の夏、始めは「早く夏らしくならないかな」と切望していましが、このくらいの時期になると「もうそろそろ大丈夫かな」と勝手な思いを巡らす今日この頃です。

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今回は、前回に続き復学事例についてのお話の続きです

こちらのケースではダイレクトアプローチ以前に親子で学校についてどう思っているかの話をしっかりと行っていたため、どんな思いでいるのかは事前に確認できていました。
(不登校状態において、些細な内容でも学校の話題を出すことは様々なリスクを伴います。専門家のアドバイスと経過の観察、対応後のフォローが前提となる対応です。親御さんだけでの安易な気持ちでの話し合いは避けましょう。)

しかし、学校への思いを聞けたものの、解決の糸口も見当たらない状況です。
行きたいという思いがあっても体が動かなくなってしまうほど学校に対しての緊張や負担が大きくなってしまったため、もはや自分の力だけでは復学を目指すことさえ難しくなっていました

もちろん、親御さんから学校に戻るためのサポートはできる限りのことをすると本人に伝えていましたが、そもそも何をサポートしてもらったらいいのかさえ本人はわからないため、親御さんとしてもそれ以上打つ手がない状態でした。
そこで、カウンセラーの介入を伴う支援を行うこととなりました。

カウンセラーの介入(以下ダイレクトアプローチ=カウンセラーが直接家庭に介入する手法)とは大まかに言うと、お子さんとカウンセラーが直接会話し、学校に行けなくなった理由や状況を整理しつつ、学校に行きたいという思いを明確にし、実際に学校に戻るための具体的な方法を本人に伝えていくことを指します。

今回のケースでは本人から事前に「学校に行けるものなら行きたい」という話がでていたため、ダイレクトアプローチはスムーズに行えました。
最初こそ学校に戻るうえでの不安や心配毎などを堰を切ったように嗚咽交じりで話していましたが、カウンセラーからの丁寧な受け答え、そして不安に思う問題への具体的な解決策の提示を行うことにより、徐々に本人の頑なだった気持ちを解きほぐすことができました
そして、一旦学校に戻るんだという方向で話がまとまると、それまでは学校に行くことができない理由となっていた様々な「問題」も、解決すべき「課題」として捉えることができるようになっていました

もちろんすべてのケースですんなりと話が進むということはなく、学校に対して「二度とあんなとこ行くもんか!」と話しているお子さんのケースも沢山あります。
カウンセラーとの話し合いの場では学校に戻りたいと言いつつ、家族だけになると発言をひっくり返す子もいますし、学校に行くんだと準備に勤しんでいた子でも、登校日の朝に布団から出られなくなってしまう子もいます。

ダイレクトアプローチではこういった状況になることも想定し、過去のケースも参考にしながら実際の復学、継続的な登校をサポートしていきます。

こちらのケースでも、実際に復学に至るまではたくさんの山と谷がありました。
いざ学校の持ち物を家の中から集めてみると、ほとんどの教科書が見つからなかったり、プール用の水着を着てみたらサイズが合わなくて急遽購入することになったものの、その外出を極端に嫌がったり、復学の日が近づいてくると緊張から寝不足になったりetc

あげればきりがないほどの乗り越えるべき試練がありました。
そして、それらを乗り越えて迎えた復学日前日、緊張から夜12時を回っても本人は寝付くことができないでいました。

数か月の間学校をお休みし、いざ迎える復学日当日と言うのはどれだけの準備をしていても緊張します。ほぼすべてのお子さんにとって、それまでの人生における最大の試練です。

それをわかっているからこそ、復学日前日の夜はカウンセラーがご家庭に宿泊させていただいて最後まで付き添います。
眠る努力をしても寝付けないのであれば、子どもたちが寝つけるまで隣で勇気づけます。
この子の場合は正にこういった付き添いが必要なケースであったため、日付が変わってもしばらくは不安や心配をカウンセラーに吐露していました。

最終的には話疲れて眠りにつくことができていましたが、その時には午前2時ころになっていましたね。

そんな時間に眠りについたのに、翌朝彼は5時に起きてきました。
緊張から眠りは浅くなってしまったようですが、眠いという様子は一切なく、むしろ緊張や不安から目が冴えているようでした。

用意された朝食もほとんど喉を通らず、大好きなモモを一切れだけ口にしていました。
しかし、前日のように不安なことを矢継ぎ早に吐露することはなく、むしろ口数少なく淡々と朝の用意を行う小さな背中を見て「覚悟を決めたんだな」と感じました。

実際、その後彼は動きを止めることなく、自分で決めた時間通りに「行ってきます」と親御さんに挨拶して玄関から出発していきました。

この日だけは親御さんに玄関まで見送りに出てきてもらいましたが、彼の姿が見えなくなった途端にお二人とも涙を流されていました。
実はこの朝に関してはほとんどご両親から本人への接触を行わないようにと伝えていたため、本当なら言いたかったであろう「朝ごはんもっと食べたら?」、「そろそろ着替えた方がいいんじゃない?」、「大丈夫?行けそう?」などの言葉を全てのみこんでもらっていました。

子を思って伝えるこれらの言葉が、子の足を引っ張ることになることを経験から知っていたからです。
これらの言葉一つがあっただけで、それまでしていた覚悟を乱してしまう子が多くいます。
覚悟を持っただけでも充分素晴らしいことではありますが、行動を成していない覚悟は薄い氷のようなものです。
例え小石でもすぐ割れてしまいます。

そのため、親御さんにも覚悟を決めてもらい、最低限の朝の用意のみ行っていただいたらあとは本人から親御さんを頼らない限りは信じて見守ってもらうことを約束していただいていました。

そうやって我慢に我慢を重ね、心配な気持ちに親御さん自身が押しつぶされそうなのを堪え、我が子が数か月ぶりに玄関を出ていく姿を見送っていただきました。

その喜びはひとしおであったことと思います。
親御さんからは「信じて見守ることができて本当に良かったです。私たちだけであればきっとあれこれ口出しをして、彼の出発を黙って見守ることはできませんでした。」と涙ながらに感謝いただきました。

彼は一日自らの教室で過ごすことができ、体育等の授業にも積極的に参加することができました。
帰宅後、彼の第一声は「思ったより普通だった!」と笑顔の一言だったそうです。

初日からクラスの友達には温かく迎えてもらうことができ、休み時間には一緒に校庭でサッカーもしたようでした。
数時間前の緊張しきった顔の彼はもうそこになく、むしろ「明日の朝〇〇と一緒に学校行くから!」と楽しそうに明日のことを楽しそうに語るまでになっていました。

こちらのケースではその後風邪によるお休みが2日間ほどありましたが、それ以外の理由でお休みすることはなく、そのまま小学校を卒業したというご連絡まで届きました。

今回のケースのように、復学後に大きな問題がおきないというのは珍しく、ほとんどのケースでは復学してからの方が様々な問題を抱えます。

これは親御さんが完璧に対応したとしても周りの環境やその時の状況、本人の性格傾向によって避けられない場合が多いように思います。
ですので、大切なのは「何事も起こらないように問題の目をつぶしておく」ことではなく、「何か起こったとしても乗り越えられる家族である」ことだと考えています

その目標を達成できるご家族が増えるようこれからも支援を続けていきますので、応援よろしくお願いいたします

きりこまち先生

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