ブログ読者の皆さんこんにちは。
今回はきりこまち先生こと辻が記事を書かせていただきます。
もう9月もですね。時折秋らしい風が吹く瞬間を感じることも多くなってきたように思えます。
夏休みが終わり、とうとう長い2学期が始まりましたね。
先日報道等でもありましたが、児童生徒にとって夏休みが明ける9月1日は心的負担がかなりたかまるケースが多いとのことです。
学校が苦手な子どもたちの訪問カウンセリングをしておりますと、本当にこの9月1日の壁は厚いです。
水野先生も「8月32日にはしてやるなよ」と我々カウンセラーに檄を飛ばします。
9月に入り、私たち訪問カウンセラーもバタバタと動いている次第です。
さて、今回は「思い込み」についてのお話をしたいと思います。
以前中学生のお子さんのもとへ訪問カウンセリングにお伺いした際のことです。私たちは訪問カウンセリングにお伺いする前には必ず親御さんからお子さんの状況について情報をお聞きします。
この時、事前に親御さんからお伺いしていたのは「子どもがいつも17時には帰ってくるのに、昨日は18時に帰ってきたんです。中学生ですし、友達と遊ぶ等である程度遅くなってしまうのは構わないんですが、遅くなった理由を「いやぁ、、別に、、、。」とごまかしたんです。ウチの子はこういうごまかし方をするときはたいてい悪いことをしてるんです・・・。そう思って問い詰めたらケンカになってしまいまして、今も口をきかないんです。何をしたのか聞いてもらえないでしょうか。」
という内容でした。
お母さんは今までのお子さんの行動と傾向から「こういう状態の時は悪いことをしたはず」と分析されている状態です。
この前情報をいただいた状態で訪問カウンセリングにお伺いし、お子さんに話を聴いていきました。
しかし、私から昨日何か変わったことはなかったかという話をする前に、お子さんからこんな話が出てきました。
「辻先生聞いてよ。この前母の日あったでしょ。あの時たまにはお母さんに花でも贈ろうと思ってさ、学校帰りに花買いにいったんだよね。まぁ当日だったから買いたかった花がもう無くなってたんだけどさ。ただ寄り道したから帰る時間が遅くなっちゃったんだよね。そしたらお母さんが『あんた何してきたの!』って悪いことした前提で問い詰めるわけ。もう二度と母の日を祝う気はなくなったね」
なかなかに悲しいお話でした、、、。
もともとこのお子さんは中学生ということで、お母さんに対する反抗心は年相応以上に持っているお子さんでした。
そのお子さんが一時的にも「お母さんのために」と考えられたことは大きな成長だと思います。できれば親御さんにもその成長をそのまま受け取っていただきたいところでした。
そのまま彼の話を聴いていると、過去の事にまで言及して「お母さんは昔からこうだった!」とヒートアップしていました。
彼の話す内容はお母さんに対する憤りが出発点でしたが、よくよく聞いていると
「〜してほしかったのに」
「〜したら喜んでくれると思ったのに」
といった内容が多くありました。
彼はお母さんを嫌いだから憤っていたのではなく、好きだからこそわかってほしくて憤っていたのだと思います。
同じく反抗期を経験した男の子として、このお子さんのお母さんに対する複雑な思いはよくわかります。
もちろん、彼の話の中には「その状況はお母さんが正しい」と言える物が多くありました。
ただ、基本的には正しい親御さんだからこそ、お子さんが正しいときには正しいと認めてあげて欲しいと思います。
彼からはその後親御さんの愚痴を聞けるだけ聞きました。もう愚痴は出ないとなった段階で、彼からゲームをしたいと話があり、以降は楽しく過ごすことができました。
後から親御さんに話を聴いたところ、私が帰ってから「腹減った」と普通に話をされたそうです。
親御さんにはあったことをそのままお伝えしました。
我が子が花を買う。という行動は想像になかったらしく、お母さんはとても驚かれていました。
同時にとても後悔されていました。
もっと成長を見守ることができる親になりたいと心から誓われていました。
本当にそうなれば、きっと彼は「もう二度と母の日を祝わない」という言葉を撤回することになるはずです
今日はそんな「思い込み」についてのお話でした。
きりこまち先生 (辻 貴紀)
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