こんにちは


皆さん、ご無沙汰しております。どんきー先生(佐藤博)です


3月に入りやっと春らしい気候になってきましたねぇ。
私は季節の中でもこの過ごしやすい春が一番好きです。花粉症を持っていらっしゃる方には大変おつらい季節かと思いますが、、、
私は花粉症とは無縁ですのでこの安定した気候が過ごしやすいです

また、この季節は子どもたちにとっても新たな出発と旅立ちの時期になります。

小学6年生の子どもたちは小学校を卒業し中学生に、中学3年生の子どもたちは中学校を卒業し高校生に、他の子どもたちはクラス替えがあったり、担任の先生が変わったりと大きな環境変化がありますね。


特に中学三年生の子どもたちは受験という試練もあります。

私たちが支援をしている中学3年生の子どもたちはみんな第一志望の高校に受かったという連絡が寄せられています!

みなさんおめでとうございます!(本日現在で水野先生のクライエント様で一件合格発表待ちのクライエント様がいらっしゃるようです。合格しているようにスタッフ一同祈っております)

不登校を経験した子どもたちの受験は大変難しいものです。

というのも、まず、欠席日数が増えてしまっていることにより内申点で不利になる事があります。(もちろん学校によっては関係しないところもあります)

また、勉強面でも休んでいる間の遅れが出てきてしまう為、その分を取り返すために周りの子たちよりも受験勉強の負担が増えてしまうことが考えられます。

私たちの支援では、こういった不登校をしたことによる子どもたちの負担や問題を少しでも軽くしてやるために、訪問カウンセラーのサポートを入れ、勉強を教えるプロである塾や家庭教師の導入や志望校をどうするのかという進路ガイダンス、勉強が苦手でなかなか手を付けられない子に対してはお尻を叩いてやり、それでもなかなか受験に対して踏ん切りのつかない子に対しては教育コーチングを導入したりと、なんとか子どもたちが進路を獲得できるようにサポートしていきます。せっかく苦労をして笑顔で学校に戻ったのに、進路が獲得できないとかわいそうですからね。



さて、今回は私が問題解決支援コースの顧問カウンセラーとして担当し、そんな受験を乗り越え高校という進路を勝ち取ったお子さんの復学事例と受験までの奮闘、合格までの実例をご紹介したいと思います。


先週、私は彼と高校に合格してから初めて会いました。「合格しました」ととびっきりの笑顔で報告してくれました。

また、合格発表当日にはお母さんの前で涙ながらに「合格して本当によかった。がんばってよかった」と泣いていたそうです。本当によかった!




中学3年生    男子   (不登校からの復学)

※私たちの問題解決支援コースでは、基本的に中学3年生の復学支援はお受けしておりません。というのも進路獲得を保証することができないためです。今回のケースでは、親御さんに進路獲得を保証するものではないことをしっかりご理解いただき、お子さん自身が進路獲得のための基礎学力を身に付けているという判断があって支援をお受けいたしました。


【インテークカウンセリングによる親からの話】

(中3のGW頃)

中2の終わりごろに子ども自身が肺炎にかかり、二週間ほど休まざるを得ない状況に。

療養後、学校に行くも身内の不幸により、また休まざるを得ない状況に。

そこから「つかれた」といい、不登校に。しかし、一ヶ月後に一週間登校するもお休みが続く状態に。


親御さんの気持ちとしては・・・

「このまま休み続けてしまう事でその先の進路獲得ができないのではないか。

今であればまだ間に合うのではないかと思う。

スクールカウンセリングや小児科などで見てもらったが、なにも処置がなく「起立性調節障害」の診断を貰うだけでなにも解決しない。

何度か強引に学校に行かせようとするが、かえって反発を招き暴力に発展してしまい、このままどうなってしまうのか…と不安を感じていた。


そんな折に知り合いの親御さんからペアレンツキャンプの紹介を受け、私たちの家族療法の考え方を知り、今までの過干渉過保護な子育てがお子さんに合ってないことに気づきまた衝撃を受けた。
これから親も学び変わらなければならないと決意した。」



と、おっしゃられていました。



【本人の性格傾向】

自己肯定感が低い。(中学校に入ってから一気に成績が落ちてしまい自信を失くす)

我慢力が低い。(何事もすぐできないといってやらない)

他人にどう思われているか気になる。

プライドが高い。

中学生にしては考えが大人すぎる。


彼は学校に行ってた間に成績が急激に下がってしまい、学校の先生からも親からも「勉強しろ!」と言われ続けてきていたようです。
ただ、先生も親御さんも彼を心配しているからこそ声をかけ続けていってくださっていたはずです。

しかし、子どもにとってはその声掛けが自分は責められていると感じてしまい、肺炎で休んだことをきっかけに張りつめていたものがはじけてしまったようでした。

これは、親の思いと子どもの思いがすれ違ってしまったことが大きく関わっているように思われました。

となれば、私たちの支援では、家族療法によりまずは親と子の関わり方を変えていっていただく事から始めていきます。


というのも、復学してからの継続登校のステージに入ってからのことを考えると家族療法が浸透していなければ、また同じように子どもが不安定になってしまう事がやはり多いためです。

しかし、このケースでは将来の進路獲得の事を考えた場合、家族療法をしっかり浸透させていく時間はありませんでした。

ですので、例外的にダイレクトアプローチの組み立てだけを中心に行い、支援をはじめて一ヶ月後には私たちカウンセラーが介入し彼と家の中で直接話をすることになりました。





いよいよ、登校刺激に向かいました。

今回は諸事情により私とルル先生が訪問カウンセラーとして伺い、水野先生に初回の登校刺激をお願いしました。

登校刺激前の状況では、復学する事はもちろん、彼は中高一貫校に通っていたのですが成績の方が一年生の頃から悪かったという事があり、内部進学を目指すのか、学校にお世話になりながら外部受験をして別の高校に進学する為に受験勉強をしていくのか、も考えないといけない状況でした。


どちらにしても彼にとっていばらの道になるだろうことは想定されました。




その上で、登校刺激をしたところ彼が話をしたことは

・学校に行かなくちゃいけないことはわかっている。

・学校に行けなくなったきっかけは自分でもわからない。

・友達がどう思われているかが気になる。

・外部受験をしたい。
            
というようなことを水野先生に訴えたようです。


これを受けて私たち訪問カウンセラーと彼で復学する為には何が必要かを相談し組み立てていきました。

その相談の中でも彼は素直に受け答えをし、私たちが提示していくものの中から自分にとって必要なもの不必要なものを今の自分の状況を冷静に分析して判断していました。
その判断は私たちも納得のいくものばかりで彼なりに不登校になってしまってどうすべきかを今まで考えていたんだろうという事がよく分かりました。
組み立ては滞りなく進めることができました。

外部受験をするということについては成績が内部進学するには足りていないことを自分で把握しており、ここから取り戻すことは難しいと彼自身が判断していました。(後日私たちの方で学校の先生に確認したところその通りでした)
私たちはその判断を尊重して組み立てをしました。


その後は、水野先生による家族関係の再構築をしていただきました。そこでは、

・親の思いと子の思いがすれ違ってしまっていたこと。

・親も子も休んでしまっていた間はつらかったこと。

・これからは一旦リセットしてお互いに前を向いてがんばっていくこと

を親子で共有することができました。


再構築のところでは親と子お互いに涙ながらに本音の部分を話すことができたことで彼の心の中でモヤモヤしていたものが晴れたようでした。
その後は笑顔も見られ、最後には水野先生に深々と頭を下げて「ありがとうございました」と言ってました。


彼は最近になってこの日のことを振り返ることがあったようです。その中で彼は親御さんに対して「助かったと思った」と話をしていたそうです。

どれだけ彼が不登校している自分に対して悩み苦しんでいたのかがわかる一言でした。そんな彼にこの日の登校刺激は「こうすればいいんだ」という道を指し示してやることが出来たと思います。



それ以降、子どもと一緒に決めた復学日まで私たちカウンセラーと二人三脚で復学に向けて準備をしていきました。

学校に行きながら外部受験をするためには学校の先生方のご協力は必要不可欠だったため、復学支援の概要のご説明とともに、学校に行きながら外部受験をするためのご配慮をお願いしました。

そして、彼は友達にどう思われているかを気にしていたので担任の先生に家庭訪問をしていただきクラスの雰囲気を彼本人に先生の口からご説明して頂きました。

こうした復学準備の行事をこなしていき、復学準備期間はあっという間に過ぎていきました。


そして、登校日当日。

彼は眠い目をこすりながらも時間通りに起きて、さっと着替えをすまし、時間通りに「いってきます!」と学校に向かいました。

登校の道中は誰かに会うかもとソワソワしていましたが、足取りは止まることなく、しっかりと学校までの道のりを一歩一歩確実に歩を進めていました。

学校に到着すると彼は黙って私たちの方を振り返り、お辞儀をして校舎に消えて行きました。
彼なりの感謝の意だったのだと思います。


親御さんと支援前の状況、支援開始後の状況を振り返り、「学校に戻ることが彼にとって一番の選択だったんだ」と再確認し、喜びを分かち合いました。

こうして彼は学校に戻っていきました。支援を受けてから2か月半後のことでした。

ここまでの彼のがんばり、親御さんのがんばり、カウンセラーの支え、水野先生の初回の最も繊細な対応によるふんぎり、すべてがこの日に報われたような気がしました


今回はここまでとさせて頂きます。また次回、続きをアップしますね




     どんきー先生(佐藤博)





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