前回記事の続きです


登校刺激後、カウンセラーと二人三脚で復学準備を進めていきました。



復学支援の概要を学校の先生方にお伝えする学校説明、担任の先生に勉強内容や座席など学校の様子を聞かせて頂く家庭訪問、友達と長い間遊んでいなかったのでその機会を作るための友達訪問、そして、実際に教室を見て回る学校見学などの復学準備の行事をしてまいりました。復学準備期間の3週間はあっという間に過ぎていきました。

その準備の中で今回のケースでは、子どもの遊びが年相応の遊びをしておらず、小学校低学年生のような幼い遊びを好んでしていました。つまり小学校6年生であれば、遊戯王カードやWiiのソフトなどが遊ぶアイテムとしては人気があるのですが、そのような遊びの仕方を知りませんでした。ですので訪問カウンセラーはカウンセリングの中で「今は学校ではこんな遊びが流行ってるみたいだよ」と話をして遊戯王カードなどに興味を持たせ、実際にやり方などを教える対応を組み込みました。

その甲斐あってか友達訪問では、本来、子ども同士では久しぶりに会うためにギクシャクすることが多いためカウンセラーが仲介役としてお友達が来てくれる日に合わせて入りスムーズに遊べるように仲を取り持つのですが、今回のケースでは子ども自らお友達に連絡を取り、約束を取り付けて遊んでいました。カウンセラーに遊びを教えてもらって早く試したい気持ちがあったのだろうと思います。

また、学校の先生方は私たちの上記のようなお願いを(大変ご苦労をおかけするお願いなのですが)「〇〇が学校に戻ってくるなら」と快く引き受けて下さりました。本当にありがたいことです


そして、復学当日を迎えました

支援を開始して約2ヶ月が経とうとしていました。
親御さんの苦労、苦悩、学校に行けなくなり毎日学校に行くふりをして裏口から帰ってくる我が子を見ているしかできない辛い日々を乗り越えてのこの日でした。子どもも「学校に一生行かない!」と言ってふさぎ込んでいた日々を過ごしていました。
親御さんのがんばりと、カウンセラーの支え、何よりも子ども自身が「本当は学校に行きたいんだ!」という意思を持っていたこと、また子ども自身が自分のためにがんばったことによってこの日を迎えられたと思います。


この日はあいにくの雨模様でしたが、登校する時間だけ奇跡的に雨が上がり、緊張しながらもカウンセラー(水野先生)と共に一歩一歩確実に学校に向けて歩を進めていきました。途中、お友達と会う事ができ、そこからは友達と元気に走って一度も振り返ることなく校舎に消えて行きました。その姿を見て、私と水野先生は「彼には学校に戻る事が一番だったのだな」と改めて感じることが出来ました


親御さんと支援前の状況や支援開始後のことを振り返りながら「本当に学校に戻れてよかった」と喜び合いました。
この日を迎えられたのは親御さんの頑張り、子を思う親の愛情、そして子ども自身の「学校へ行きたい」という意志があったからこそだと私は思います。

この日からは、継続登校というステージに入っていきます。継続登校は山あり谷あり、今後も休むことはあるでしょう。ただ、それは学校に行ったからこそ抱えてくる問題が起きてのことです。友達のことや勉強のこと、体力面のこと、こういった問題が起きることが予想されます。そのような問題を乗り越えてこそが真の年相応の自立だと私たちは考えます。


現在、彼は2日ほど体調不良で学校をお休みしましたが、それ以外は1日も休まず継続登校を頑張っています。
先日、私は約1ヶ月ぶりに彼と話をしました。彼は時折笑顔を見せつつ、「学校は嫌な時もあるけど、楽しい」と言ってました。学校は楽しいことばかりではありません。嫌なこともあるでしょう。彼は継続して登校することによってここに気付けたのだと思います。


また、親御さんともお話をさせて頂きこのようなメールをいただきました。
以下抜粋です。(親御さんの許可を得たうえで掲載させていただいています)

あのころは、トンネルの中にいました。不安で暗い顔をしていましたよね。
でも、ペアレンツキャンプの支援を受けさせて頂けると決まった時、出口が見えたようでした。それ以前はきっともっと暗い顔をしていたと思います。
先生のご指導を受けて、子どもが復学出来ました。子どもが今まで自力で復学してもぬぐえなかった不安ですが、今度はPCMを忘れさえしなければきっと以前のように戻る事はないと信じることが出来ます。
今の子どもは顔が本当に違いますよ。
年相応の自立が出来ているように思えてきました。自分の欲求を我慢して待つこともできるようになってきています。3ヶ月前とは大違いです!
あのころの子どもの口癖は「もう無理〜」と「でもなぁ〜」でした。最近は、全く!このセリフ聞いてないんですよ!本当に子どもの成長を実感しています。


というメールをいただきました。


彼は、継続登校と家庭内での対応を親が学び変えていくことでこういった日常の生活面でも成長を見せ始めています。

復学してまだまだ1ヶ月。これからも山あり谷ありでしょう。ただ、長い間お休みしていたときの彼とは違うはず。彼は一番つらい時を乗り越え、親も変わったのだから。
小学校卒業まであと3ヶ月。笑顔で卒業式を迎えられるように一緒に頑張っていきましょう


復学おめでとうございます



※あくまでひとつの事例です。個々のケースによって違います。またここでは書ききれない細かい対応の組み立てがたくさんあることもご理解の上でお読みいただき、参考にして頂ければ幸いです。



                     どんきー先生(佐藤博)






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