※前回記事の続きです
まずはお母さんが学校内の別室に居る時間を減らしました。当初は登校から下校までの時間はすべてお母さんは学校内にいましたが、1時間目が終わると帰るようにしました。家に帰る理由も明確に家族会議で子どもに伝えました。下校時は先生から連絡を頂き、お母さんが迎えにはいくようにしました。
この対応を2週間ほど続けました。
ここから段階的に切り離していくのか、すべてまとめて切り離すのかの判断が難しいところでした。
段階的に切り離したほうがリスクは少ないのですが、段階的な手法には必ず踊り場(停滞期)があり、その停滞期が長期化すると結果的に状況は後退していきます。まとめて切り離すほうがベターだという判断は「今の親の状態と子の状態なら大丈夫だろう」という読みが経たない限りハイリスクではあります。
再び家族会議を行い、まとめて切り離す手法を親御さんと相談のうえで組み立てました
結果的に1年生の3月の最後の2週間は、お母さんは家の玄関で見送り、下校時は子どもは自分の足で帰ってくることができました。
「1年生のうちに母子登校を乗り越えられてよかった。先生ありがとうございます!」
電話カウンセリングで聞いた親御さんの喜びで震えた声が印象的でした。
子どものほうも精神的なストレスが身体症状に出ることもなく、むしろ「お母さんと一緒では恥ずかしい」という思いを持つことができたのではないかと思います。母子登校が始まった時に「親の愛情不足の結果として子どもが母親に愛情を求めているのだから、しっかり甘やかしてあげましょう」というアドバイスを他の相談機関で受けたとのことですが、このケースでそのような対応をしてしまっては子どもも親御さんも長期的に考えれば心に大きな傷を負ってしまったかもしれません。母子登校でもその要因はいろいろなものがあるので「母子登校=一時的にでも甘やかす=満たされれば自分で動く」という教科書対応は難しいところだと感じます。
春休みの対応をしっかりと継続していただき、母子依存が強化しないような対応を組み立てました。子どもはとても穏やかな笑顔で春休みを過ごしていたようです。過干渉をやめ、親子の信頼関係が構築されてきたことを感じました
しかし、ここでさらに越えるべき新しい山が出てきてしまいました・・・
4月に入り、学校の環境が変わりました。
また母子登校を乗り越えてすぐに春休みに入ったため、母子依存に起因する行き渋りではなく、環境変化による行き渋りが出てきてしまいました。
朝は登校したとしても玄関で大泣きが続く状況であったり、登校班のところでシクシク泣いていたりする状況でした。教室に入ってしまえば3月のようにお母さんが居なくてもそれなりに楽しんではいるという状況でした。
朝に荒れてお休みしてしまう日も少なくありませんでした。お休みをした際には家庭内対応にも変化を付けて子どもに考えさせる手法を導入しました。
そのように母子登校とは別に起こった、不登校前兆の行き渋りに対しても、家庭内対応を組み立てていくことで徐々に乗り越えていきました。ゴールデンウィーク後にはそのような状況もなくなり、一人で玄関を出て、学校へ行き、きちんと教室で授業を受け、お母さんが迎えに行かなくても下校をするという当たり前のスタイルがこの家庭の当り前になりつつありました。
夏休みの対応は親御さん自身の「見方」を変えなくてはならない試練の時期でした。
去年も夏休みをきっかけに母子依存が加速し、母子登校の状態になったので今年の夏休みは子どもに任せるべきところは任せる(宿題や生活習慣など)、ひとりでできることは自分でやらせる。ダメなものはダメとしっかり指導する。家庭のルールを決めてしっかりと守らせる。親子の信頼関係を崩さないように意識するなどの対応を日々、家庭ノートチェック法と電話カウンセリングでアドバイスをしていきました。
また習い事の件やゲームの時間の件などについてもどのように対応をすれば我が子には響きやすいかということをアドバイスをさせていただきました。
9月以降も、母子同伴登校はもちろんしないし、行き渋りも完全になくなりました
子どもの伸び幅としても・・・
・お母さんをあまり頼らなくなって自分で考えるようになった
・アイメッセージで伝えれば親を気遣うようになった
・ひとりでお友達の家に遊びに行ったりできるようになった
・お留守番ができるようになった
・子が家で学校の話をする機会が増えた
・父親のいうことには素直に従い反省するようになった
・学校行事で嫌なことがあっても逃げることなく参加できるようになった
などが確認できました。
つい先日行われた、学芸祭では劇で主役に抜擢されたようでしたが、特に渋る様子もなく堂々と演技をしていたようでした(実は私としては主役が重荷になりすぎないかが不安でしたが)。
ついこの間までお母さんがいないと何もできなかった子が、本当に成長したんだなぁと感じた瞬間でした
学校の先生方も彼の急成長には驚いておられるようです。
このご家庭のケースでは、ダイレクトアプローチは導入せずに結果的に家庭内対応のみで母子登校および行き渋りを克服しました。
場合によっては私の教育コーチングを導入することも検討はしていましたが、結果的にはお父さんお母さん共に頑張って頂いたことで外部のカウンセラーによるダイレクトアプローチなしでこのような結果にまで導くことができました。
まだまだ学校へ行っている限り子どもは様々な外的要因を抱えてしまって動けなくなったりするかもしれません。でも、このご家庭はしっかりと「我が子に合う家庭教育を学び、たとえ問題が起ころうとも家族だけで乗り越えられるスキルを身につけられました
支援開始から11か月。このたび支援をご卒業されます。
結局、支援開始から今まで、電話では300時間以上はお話はしてきたかと思いますが、一度も私はお母さんとお父さんとお会いしていないんですよね。支援卒業を機に、はじめてお顔をみてお話をさせていただく予定です
支援卒業おめでとうございました
またほかの母子登校で苦しんでおられる方のために、自分の家庭のケースをブログで発信させていただくことに賛同していただきありがとうございました
きっとこの情報が今現在母子登校で悩まれているお母さんにとって有意義な情報となったことと思われます。
※いつも復学支援の実例を書くときには、明記していますが、細かい対応などを含めるとここに書いた以外にも対応が山のようにあります。その点だけ誤解のないようにお願いいたします。
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まずはお母さんが学校内の別室に居る時間を減らしました。当初は登校から下校までの時間はすべてお母さんは学校内にいましたが、1時間目が終わると帰るようにしました。家に帰る理由も明確に家族会議で子どもに伝えました。下校時は先生から連絡を頂き、お母さんが迎えにはいくようにしました。
この対応を2週間ほど続けました。
ここから段階的に切り離していくのか、すべてまとめて切り離すのかの判断が難しいところでした。
段階的に切り離したほうがリスクは少ないのですが、段階的な手法には必ず踊り場(停滞期)があり、その停滞期が長期化すると結果的に状況は後退していきます。まとめて切り離すほうがベターだという判断は「今の親の状態と子の状態なら大丈夫だろう」という読みが経たない限りハイリスクではあります。
再び家族会議を行い、まとめて切り離す手法を親御さんと相談のうえで組み立てました
結果的に1年生の3月の最後の2週間は、お母さんは家の玄関で見送り、下校時は子どもは自分の足で帰ってくることができました。
「1年生のうちに母子登校を乗り越えられてよかった。先生ありがとうございます!」
電話カウンセリングで聞いた親御さんの喜びで震えた声が印象的でした。
子どものほうも精神的なストレスが身体症状に出ることもなく、むしろ「お母さんと一緒では恥ずかしい」という思いを持つことができたのではないかと思います。母子登校が始まった時に「親の愛情不足の結果として子どもが母親に愛情を求めているのだから、しっかり甘やかしてあげましょう」というアドバイスを他の相談機関で受けたとのことですが、このケースでそのような対応をしてしまっては子どもも親御さんも長期的に考えれば心に大きな傷を負ってしまったかもしれません。母子登校でもその要因はいろいろなものがあるので「母子登校=一時的にでも甘やかす=満たされれば自分で動く」という教科書対応は難しいところだと感じます。
春休みの対応をしっかりと継続していただき、母子依存が強化しないような対応を組み立てました。子どもはとても穏やかな笑顔で春休みを過ごしていたようです。過干渉をやめ、親子の信頼関係が構築されてきたことを感じました
しかし、ここでさらに越えるべき新しい山が出てきてしまいました・・・
4月に入り、学校の環境が変わりました。
また母子登校を乗り越えてすぐに春休みに入ったため、母子依存に起因する行き渋りではなく、環境変化による行き渋りが出てきてしまいました。
朝は登校したとしても玄関で大泣きが続く状況であったり、登校班のところでシクシク泣いていたりする状況でした。教室に入ってしまえば3月のようにお母さんが居なくてもそれなりに楽しんではいるという状況でした。
朝に荒れてお休みしてしまう日も少なくありませんでした。お休みをした際には家庭内対応にも変化を付けて子どもに考えさせる手法を導入しました。
そのように母子登校とは別に起こった、不登校前兆の行き渋りに対しても、家庭内対応を組み立てていくことで徐々に乗り越えていきました。ゴールデンウィーク後にはそのような状況もなくなり、一人で玄関を出て、学校へ行き、きちんと教室で授業を受け、お母さんが迎えに行かなくても下校をするという当たり前のスタイルがこの家庭の当り前になりつつありました。
夏休みの対応は親御さん自身の「見方」を変えなくてはならない試練の時期でした。
去年も夏休みをきっかけに母子依存が加速し、母子登校の状態になったので今年の夏休みは子どもに任せるべきところは任せる(宿題や生活習慣など)、ひとりでできることは自分でやらせる。ダメなものはダメとしっかり指導する。家庭のルールを決めてしっかりと守らせる。親子の信頼関係を崩さないように意識するなどの対応を日々、家庭ノートチェック法と電話カウンセリングでアドバイスをしていきました。
また習い事の件やゲームの時間の件などについてもどのように対応をすれば我が子には響きやすいかということをアドバイスをさせていただきました。
9月以降も、母子同伴登校はもちろんしないし、行き渋りも完全になくなりました
子どもの伸び幅としても・・・
・お母さんをあまり頼らなくなって自分で考えるようになった
・アイメッセージで伝えれば親を気遣うようになった
・ひとりでお友達の家に遊びに行ったりできるようになった
・お留守番ができるようになった
・子が家で学校の話をする機会が増えた
・父親のいうことには素直に従い反省するようになった
・学校行事で嫌なことがあっても逃げることなく参加できるようになった
などが確認できました。
つい先日行われた、学芸祭では劇で主役に抜擢されたようでしたが、特に渋る様子もなく堂々と演技をしていたようでした(実は私としては主役が重荷になりすぎないかが不安でしたが)。
ついこの間までお母さんがいないと何もできなかった子が、本当に成長したんだなぁと感じた瞬間でした
学校の先生方も彼の急成長には驚いておられるようです。
このご家庭のケースでは、ダイレクトアプローチは導入せずに結果的に家庭内対応のみで母子登校および行き渋りを克服しました。
場合によっては私の教育コーチングを導入することも検討はしていましたが、結果的にはお父さんお母さん共に頑張って頂いたことで外部のカウンセラーによるダイレクトアプローチなしでこのような結果にまで導くことができました。
まだまだ学校へ行っている限り子どもは様々な外的要因を抱えてしまって動けなくなったりするかもしれません。でも、このご家庭はしっかりと「我が子に合う家庭教育を学び、たとえ問題が起ころうとも家族だけで乗り越えられるスキルを身につけられました
支援開始から11か月。このたび支援をご卒業されます。
結局、支援開始から今まで、電話では300時間以上はお話はしてきたかと思いますが、一度も私はお母さんとお父さんとお会いしていないんですよね。支援卒業を機に、はじめてお顔をみてお話をさせていただく予定です
支援卒業おめでとうございました
またほかの母子登校で苦しんでおられる方のために、自分の家庭のケースをブログで発信させていただくことに賛同していただきありがとうございました
きっとこの情報が今現在母子登校で悩まれているお母さんにとって有意義な情報となったことと思われます。
※いつも復学支援の実例を書くときには、明記していますが、細かい対応などを含めるとここに書いた以外にも対応が山のようにあります。その点だけ誤解のないようにお願いいたします。
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