先日のブログでの記事で小学6年生の不登校と中学3年生の不登校の復学事例について親御さんのご了承を得た上でご紹介しました


・自分の足で 自分の意志で (2009年 5月29日)

・叫び      (2009年 6月3日)


現在、ペアレンツキャンプで支援を受けられている方々やブログを通じてお知り合いになった親御さんから祝福のメッセージが寄せられています。私の方からもこの場で御礼申し上げます


さて、あれからこの6年生の子と中学生の子はどのようになったのかをお知らせしたいと思います。



まず6年生の子は、現在で3週間登校出来ています。

訪問カウンセラーやメンタルフレンドによる朝のフォローは最初の1週間だけ続けました。特に行き渋ることはなく、元気に通っています。
長い通学路ではありますが、車で送ることもなく自分の足で、自分の意志で進んでいる印象です。
登校初日は登校班に合流するところあたりでは居心地悪そうにしていたところはありました。しかし、今では、弟に対して「先に行くぞ〜」というところも見受けられ毎日学校へ行くことに対して慣れ始めてきているようです。

片道約50分の長い通学路ですが、決して彼に歩く能力がなかったわけではなく、「意思」の問題だったということが確認できました。逆にいえば「彼を車でしか送れないような環境を周りの大人たちが作ってしまった」とも結論付けられます。

今は水泳など懸案事項もありますが、日々、通い続けることでたくましくなっている印象です。まだ登校して3週間ですので、周りの6年生に比べると幼いところもあります。徐々にそのギャップを学校社会の中で日々体験する事柄を通じて埋めていってもらえればと思っています。

親子関係に関しても、親が話を聞く姿勢と作ることで良好な状態となり、彼から学校のことなどをよく話してくるようになったそうです。
「叱るときには叱れる親子関係」を目指して、今後もお母さん、お父さんが力を合わせて頑張って頂ければと思っています。




中学3年生の子に関しては、登校してすぐに中間テストがあり、そのテストが終わった直後に実力テストがあるという比較的ハードルの高い復学日の設定となりましたが、今日に至るまで元気に毎日登校出来ています。
自己肯定感の低い傾向のある子のため、テストの結果次第では、再び休むことを選択してしまわないか不安なところもありましたが、思いのほかテストの点数も良く、問題に発展することはありませんでした。

私は、不登校からの復学の際には

「勉強のことはいい。休んでいたのだからできなくて当然だ。出来ない自分を認めるところから始めて、毎日行くことでカバーしていけばいい」

と伝えています。しかし、こちらのケースでは中学3年生ということもあり受験のことを考えればそうも言っていられないのが現状です。その中である程度の点数を取ってきたことで私もそうですが、子ども自身も安心できたのではないかと思います。

こちらは登校してから2週間ですが、昼夜逆転の問題があったため、最初の1週間は訪問カウンセラーやメンタルフレンドによる早朝対応が必須でした。先生方が訪問した段階で寝ていることもあり、なかなか自分の力だけでは起きることは難しかったです。(声をかけるとすぐには起きます)
今週に関しては、親御さんの対応だけで朝の対応をしていただきました。起きてこない子どもにハラハラする日もありましたが、1日も休むことなく頑張っています。そのうちの1日だけ

「今日は足が痛いから休む」

と言ってきた日がありましたが、早朝のメール対応にて親御さんに対応を伝え、結果的に遅刻することもなく登校することができました。
中学3年生ですので、学校へ戻ることで他のクラスの子などから心ない言葉を言われてしまうこともあるでしょう。もしかしたら言われているのかもしれません。そのような中でも、「変わるんだ!」という明確な意思を子どもが持つことで乗り越えていこうとしている真っ最中なのではないかと感じています。

親の対応に関しては、共感的に話を聴く姿勢を中心にして子の自己肯定感を育む会話を心掛けていただいています。




2つの事例に復学初日に共通してお伝えしていることは、


今日のことは手放しに喜びましょう。
子ども自身の頑張りを心の中で褒めてあげましょう。
でも、ここから1日も休まず、何の問題も起こらずに進んでいくことは考えられません。
時には弱気になりますし、なによりも子はすでに学校を休めるということを知っています。
継続登校は山あり谷ありです。
子どもの状態がどうであれ、毅然とした態度で学んだ対応を実践していきましょう



現状では、毎日休まずに頑張っていますが、必ずしもそれが良いことだとは考えていません。
時には弱気になって休んでしまい、その日、家の中で反省して立ち直り翌日から戻っていくという体験も私は大切だと思っています。


人間、誰しも強くはありません。


子どもに完ぺきを求めてはいけません。


日々の生活の中での反省が子をよりたくましくすることもあります。



これからも親御さんには、そのことを胸に継続登校のステージで、学んでいっていただきたいと考えています