きのう、7ヶ月間不登校だった小学校4年生の男の子が復学しました
私が担当しているクライエントさんとしては今年度最後の復学となり、きのうは対応していただいている訪問カウンセラーの先生と、親御さんとで喜びを分かち合いました。
登校2日目の今日も問題なく、「いってきまーす」とお母さんに声をかけて玄関を駈け出して行ったそうです。
母子密着型、子ども上位家庭という2つの問題が支援当初の大きな問題でした。
支援を受け始めたときの会話としては・・・
「ママ遊ぼう!」
「ママ何をして遊んだらいいか考えて」
「たいくつだ〜。ママ考えて」
「今日は焼き肉作ってね。僕が食べたいもの以外作っちゃダメだよ」
などなど。自分でできることも、本来自分で考えるべきこともすべてお母さんを頼ります。お母さんが受容しない対応をすると、
「僕がこうなったのはそもそもママのせいなんだからね」
「あ〜、イライラする。イライラするとマンガが欲しくなる。買ってきて。ママのせいなんだから」
すべてママのせいにします。長い間家の中で親の立場が低く、子どもが王様のようになっているので親が受容しないスタイルをとると上記のような反応を示し、お母さんを殴ってきたり、髪の毛を引っ張ってきたりします。
かといって彼の言い分をすべて受容してしまうスタイルをとると、自分本位な性格を助長させて、なお子ども上位の状態が強くなってしまうという状況です。
夜はもっと大変です。
夜は24時間アニメをやっているチャンネルを見ています。昼夜逆転です。
自分ひとりで見ている分にはいいのですが、お母さんも巻き込もうとします。
お母さんが自分の部屋で寝に行こうとすると・・・
「どこいくの!?一緒に見ようよ。」 (夜中3時4時の話です)
「僕を見捨てるの!いつもママはひどい」
お母さんも毎日寝不足で大変な状態です。子どもにつきあう形でリビングでアニメを見てやりますが、時には疲労でそのまま目が開けられなくなる時もあります。そんな時に子は。
「寝るな!」といって殴ってくるような状況です。
何かルールを決めて守らせるようにしても1日2日ですぐに破ってしまうような子でした。自分より下に見ている親の作ったルールなんて守らなくてもいいと考えているのでしょう。
そのような状況から支援を開始しました。
家庭の問題としては、「子上位」「母子密着」
子どもの問題としては「不安が強い」「自立心が低い」「問題所有がゼロ」
ということが挙げられます。まずは親が子よりも下にいる状況をこれ以上下げないように対応しました。
子どもには訪問カウンセラー対応で遊びを通じて関係作りをして、性格傾向の分析をしました。同時に、訪問カウンセラーが来ている最中はお母さんの方に子どもが行くことはないのでその間に休んでもらうこともありました。
家族療法的な親の対応はここで書ききれないほど大小様々な対応を入れました。お母さんが頑張れるところは全力で頑張ってもらいました。しかし、子はすでに親を召使や奴隷のように思っているので、素直に聞き入れることは少なく苦労しましたが、あきらめずに日々の対応に努めました。暴力はすぐになくなりましたが、「ママのせい」と言うところに最終的になってしまう点は続きました。
目に見える形で変わってきたことは、夜のアニメに親を強引に付き合わそうとしなくなったこと、そしてその後は自分の部屋で12時までには入って寝るようになったことなどが挙げられます。(あとで聞いたのですが、自分の部屋でひとりで寝たのは人生で初めてだったようです)
その後はコーチングを入れ、お父さん対応を入れ、訪問のカウンセリングを続け、学校側との連携を強化し・・・という形で支援を進めていきました。
先日の登校予定日。
大きな問題はなく、7か月ぶりにランドセルを背負ってお友達と一緒に登校しました。私も見守りましたが、ときおり笑い声も聞こえてて、「学校へ行くぞ」という意識がしっかりと感じとれました。
学校でも問題はなく、初日から6時間授業で大変だったとは思われますが、しっかりやってきたようです。帰ってくるとすぐに自転車に乗って友達の家に遊びに行きました。これも7か月ぶりのことだそうです。
今年度、最後の登校を見届けることができ、私としてもホッとしています。これからも家庭内対応では不安点が多いですし、子どもの頑張りもどこまで続くか見通しはつきません。
それでも、彼自身の「本当はみんなと同じように学校へ行きたい!」という気持ちがある限り、親や専門家が足並みをそろえて努力していけば子どもをサポートしていけるのではないかと思っています。
登校おめでとうございます!
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