親のカウンセリングマインド(PCM)の2つ目の柱であるアイメッセージについて今日は解説していきたいと思います
アイメッセージとは子どもを非難せずに親の気持ちを伝えることで子どもの行動に変化を与える手法です。
家庭教育支援機関、復学支援機関など様々なところで取り上げられている手法です。機関によってはわたしメッセージやIメッセージと表記されているところもありますが同じものだと考えてよいでしょう。
アイメッセージとはなんぞや?ということをここで書いてしまうと長々となりすぎるので今日は、拙書『ころばぬ先の家庭教育』でご説明しきれなかったところを中心に書いていきたいと思います。
(本来はアイメッセージとアクティブリスニングだけで1冊の本が書けるくらい奥が深いスキルなのです)
私は支援を受けられている方にPCMの理論をお伝えしているわけですが、まずはじめにアクティブリスニング(※過去記事参照)とこのアイメッセージをお伝えしています。
なぜなら、このふたつのスキルは目に見えて子どもの状態や態度に変化が見えやすいからです。支援する側としては子どもの状態が自分が変わることでいい方向に向くことを支援序盤で実感していただきたいという思いがあります。
本にも書きましたが、アクティブリスニングとアイメッセージは実践の場でミックスすることで相乗効果が期待できるテクニックなのです。
さて、前置きはこのくらいにして・・・
アイメッセージとひとことで言っても、そこには2種類のアプローチの仕方があると考えます。つまり・・・
「〜だとお母さんうれしいわ」や「〜だとお父さん助かるな」
というものと、
「〜だとお母さん悲しいわ」や「〜だとパパはつらい気持ちだよ」
というもの。
簡単に説明しちゃえば、親の気持ちの伝え方が子にとってプラスの要素を含んだものか、マイナスの要素を含んだものかという違いがあるのです。
こうやってくれるとより良いんだけど・・・というような状況では主にプラス因子を含んだアイメッセージが適切です。(整理整頓、脱いだものの片付けなど)
ここはしつけ上しっかりと伝えたい!という場面では主にマイナス因子を含んだアイメッセージが効果的ではないかと思います。(好き嫌いや、挨拶やお礼の仕方など)
つまり、状況による使い分けがアイメッセージの中でも選択できるということなのです。わかりやすく図式にすると・・・
アイメッセージプラス因子<アイメッセージマイナス因子<提案<指示<命令
(→にいくほど相手の行動や状況が厳しい時)
となります。
さすがに冒険ものの映画などでよく見かける渓谷の吊橋を歩いてる時に、キャッキャッと飛び跳ねている子どもを見て
「吊橋の上では静かにしてくれるとお母さんも安心して渡れてうれしいわ」
などと悠長なことは言ってられませんね。このような場面ではメシテイが適切です。(危ないからやめなさい!)
しかし、家庭内の会話をチェックしていますと逆にそこはメシテイレベルではないところでメシテイをしてしまっているケースをよく見受けます。
家庭内での対応面では凡そアイメッセージ対応でするほうが子どもの自主性を重んじる対応になるので、相手の気持ちを考える子に育て、自立心を培うことができます。
汎用性のきくアイメッセージの中でもさらに2種類の強弱がつけられるということを知っておけばより効果的にアイメッセージを家庭内に組み込むことができるのではないでしょうか
家庭教育支援をしていて「親の気持ちを子どもに伝えることの大切さ」を感じます。親の気持ちを伝えたいのに、メシテイをしてしまうことで子どもには「うるさいなぁ!わかってるよ!」と親の意図とは違うことを伝えてしまっているご家庭は少なくありません。
まだまだ奥が深いアイメッセージですが、今回はここまでにしておきます