新年初記事はちょっと小難しいけど大切なお話

現代日本の教育現場でのカウンセリングは「治療的カウンセリング」が主流と言えます。

例えば、不登校の事例。

学校や家庭では、実際にお子さんが不登校や行き渋りの状態になってしまったときに初めて親御さんやお子さんがカウンセリングを受ける傾向にあります。
臨床心理士(スクールカウンセラー)や復学を目標とする支援機関などに相談に行き、どのようにお子さんが毎日学校へ通えるようになるのかを分析した上で支援を進めていきます。
不登校は一概に病気とは言い切れないため「治療」という言葉は適切ではありませんが、何か問題が起こってから対応をするという面で「治療的カウンセリング」と呼ばれます。

私もカウンセラーとして復学支援機関で多くの家庭を支援してきました。

不登校を経験してよりたくましくなっていく子も少なくありません。家庭内での親御さんの対応についても「息子が不登校というサインを送ってくれたおかげで人生において大切なことを学べました」という言葉も聞くことができます。
しかし、不登校の復学に際しては時間が必要なうえ、コスト面でもカウンセラーの派遣料やカウンセリング料など、どうしても家庭の負担が大きくなってしまいます。またカウンセラーとひとことで言っても、すべてのスクールカウンセラーや訪問カウンセラーが優秀で「お子さんに合う」とも限りません。

不登校の事例では原因や状態、性格傾向はそのケースごとによって違うため、誤った分析をしてしまうだけで状況の改善までに要する時間は多くかかってしまうことも考えられます。そして悲しいことに複合的な原因が絡み合う不登校の事例を多く経験してきたカウンセラーが少ないのも大きな問題と言えるでしょう。

治療的カウンセリングはあくまで「何か事が起こってから対処する」というシステムですので親御さんの心労もお子さんの心労も測りきれないものがあるのです。

そこで近年、家庭教育の分野で新しく考えられ始めたのが「予防的カウンセリング」です。

予防的なカウンセリングとは、治療的カウンセリングとは違い「何か事が起こる前に対処する」という考え方です。
つまり、不登校や非行などのお子さんの問題行動が出てきてからカウンセラーなり外部の専門家が対処するのではなく、事前に家庭内で予防策を講じるということなのです。
今の時代、不登校や五月雨登校、保健室登校や母子登校、イジメや家庭内暴力などは珍しいことではありません。悲しいことに問題がないと思っていたお子さんにも突然起こりうる状況なのです。

予防的なカウンセリングでは「今問題がないと思っている親御さん」を中心に家庭内での対応の仕方や親子関係の構築の手法、自立心や社会性を開発する対応法などを学んでいただきます。
そうすることによって「お子さんの問題行動を予防」することができるという考え方です。 右欄の私のプロフィールにも書いてありますが、私は治療的な不登校カウンセリングの手法を身に付けた上で、今は予防的なカウンセリングが日本の教育には必要だという立場で活動しています。        


                  △愨海。