ここから読まれた方は前回記事(※12月3日分)をご覧になってから読み進めてくださいね。


さて、いよいよ登校予定日前日です

前日には、実際に放課後に学校へ行ってみて雰囲気を感じてくるというスケジュールになっています。 訪問カウンセラーの先生と一緒に、お道具箱や音楽セットなど、ほかの児童がすでに学校へ置いてあるものを置きにいき、実際に教室の雰囲気などを感じます。

この男の子の場合、1年以上も学校へ行けていなかったので自分の席はもちろんのこと、班や係りなども分からなくなっています。
子どもの立場で考えれば、ひとつでもわからないことがあれば、それが不安に直結してしまい、なかなか足が学校へは向きません。 教室の後ろに掲示してある係の表や委員会の表などを見ながら担任の先生から丁寧に解説をしていただきます。

家に帰ってきてからは明日の時間割と担任の先生から出された漢字の宿題にかかります。訪問カウンセラーの先生の言うことを素直に聞き入れ、緊張しながらも平静を保っているという印象でした。

いよいよ復学当日。

天気は今にも雨が降り出しそうな曇天でした。
当日朝は6時半に問題なく起きて、親御さんのハラハラした気持ちとは裏腹に訪問カウンセラーの先生とテレビを見ながら談笑していました。

7:20にお友達が迎えに来てくれて1年ぶりにランドセルを背負って登校しました。

私は少し離れた位置から子どもが学校へ入っていく様子を見ていたのですが、時折お友達との会話の中に笑顔も見られ、 「あぁ。本当に行きたかったのだなぁ」と感じずにはいられませんでした。
ちなみに子どもがゲタ箱のところに行くまでは雨が降らず、子どもの登校を見届けた帰り道で雨がぱらつきました。お天道様も粋なことをしてくれます。私がクライアントさんの家に着くまで雨を我慢してくれれば尚素晴らしかったのですが・・・

その後は、帰ってきてからのメンタル的なケアと宿題や時間割等の対応を訪問カウンセラーの先生と一緒に進めていたようです。 1年以上、学校にも行かず家の中で自由に暮らしていた彼からするとこの日は心身ともにとても疲れていたように見受けられましたが、それ以上に「行けたんだ!」という充実した表情が印象的でした。

翌日には、足が痛いと言って登校をグズるところは見られましたが、事前に予想していた範囲内の行動でしたのでお親御さんのほうでうまく対応していただき、遅刻することもなく登校しました。

その後も三連休明けの火曜日などは私がハラハラしていましたが、特に問題なく登校し、現在まで無遅刻・無欠席、保健室にも逃げ込むことなく毎日登校しています

こう文章にして書いてしまうと、簡単なことを事務的に進めていっているように感じられる方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、このような流れに至るまでには親御さんの家族療法的な知識の理解度、そしてカウンセラー側の細やかな気配り、そして受け入れ側である学校側の対応などがすべていいように影響を与えての結果だと感じられます。 実際、1年以上も休んでいた6年生の男の子が復学するのは並大抵のことではありません。(親御さんにとっても子ども本人にとっても) しかし、苦労の先にはこのような結果も待っています。もちろん、今はいい状態で進んでいますが、これから先、疲労が蓄積されたり、嫌なことがあった時に学校を休んでしまうかもしれません。しかし、そこを乗り越えた先に継続登校の道が見えてくるのだと思います。

そのためには今後も、親御さんには学んでいただきたいことはたくさんあります。特に、朝の対応などは「行く・休む」に直結する対応が多く含まれるため、親御さんには瞬間瞬間の判断が求められます。(コレが実に難しい)登校したからハイ終わり・・・というわけには行かないのが復学支援の難しいところでもあるわけです。

あくまでひとつの復学支援の道筋ということでご紹介させていただきました。ケースによって復学の手法はバランスを変えるのですが、そこのところは誤解のないようご理解していただければと思います。


子どもたちにとって学校がすべてだとは思いません。

他にも道はたくさんあることでしょう。

しかし、子ども本人が「戻りたい!」と思っているのにもかかわらず違う道を親御さん主導で引いてしまうのは問題があるのではないかとこの男の子のケースを支援して私は感じました。