以前に、1年以上休んでいた6年生の男の子のコーチング(登校刺激)のお話をしました。(※過去記事11月12日参照)


その後、あの子はどうなったの?と気にされている方もいるかと思われます。


今日は登校刺激以後の様子を簡単に書いていきたいと思います。


登校刺激の日、彼は涙ながらに 「できることならみんなと同じように学校へ行きたい」 と話していました。そこから彼の復学準備が始まりました。
実は、6年生の2学期以降の復学支援は、復学支援機関によっては引き受けていただけない機関もあるのです。
この時期の復学支援には専門家にそう思わせるほどの難しい問題があります。 それは「時間」と「自我の発達」の問題です。
ケースにもよりますが私は復学支援を受ける際には3か月か4か月の期間を見て復学予定日を設定します。
しかし6年生の2学期では、そんなにも時間をかけてしまうと     復学→即卒業→中学進学 となるため、学校に慣れる間も少なく中学に入ってしまうため再び不登校状態になるケースもあるのです。また6年生にもなると自我が発達してなかなか外部の人間からのコーチングが響かない場合もあり、そのような場合にはどうしても登校刺激事態が長期化してしまうこともあるのです。登校刺激が長引けばその分、登校予定日が先送りになっていきます。そうなると先ほどご説明した「時間」の問題がさらに大きなものとしてのしかかってきてしまいます。今回のケースでは諸々のリスクも親御さん承知の上で、短期間で進めましたのでその旨、誤解のないように読み進めていただければと思います。


1年以上学校生活から遠ざかり、不登校中の親御さんの対応も幼児性の退行を助長させるような対応が目立ちました。

家の中では時折、赤ちゃん言葉が出るような状況でした。
親御さんには家族療法を指導し、家庭内対応を変えていく努力をしてもらいました。家族療法は即効性のある手法とは言えませんが、親御さんの努力の甲斐あって、赤ちゃん言葉や幼児性の行動は見受けられなくなりました。(サラッと書きましたがこの変化なくしては復学は考えられないほど大きな問題だったのです)
まずは子自身が周囲の6年生の感覚(話し方や考え方)に近づくことが大切でした。訪問カウンセラーの先生にはある程度、現実原則を伝える形で時には厳しく接していただきました。また遊戯療法を通じて、復学に際しての性格的な問題点などを分析しながら、子どもとの信頼関係を構築しました。 勉強面に関しては、毎日学校へ行っていた子に追い付くことは今の段階では不可能なので、きちんと勉強をする習慣や、45分座って勉強する練習に徹しました。このような短期間での復学プログラムでは勉強面をバッサリと切り捨て割り切れることが大切だと私は考えています。

登校刺激から2週間後を「登校予定日」に設定したため、親もカウンセラーも、もちろん子どもも努力をおこたることができないような切迫した状況です。
しかし、子どもは 「はやく学校へ行きたいなぁ」 などという言葉が出始めていて、子どもの状態としては前向きな様子でした。 担任の先生にも家庭訪問をしていただき、学校で今何をやっているのか、クラスの雰囲気はどのようなものなのかということを子どもも同席の上で詳しく伺いました。担任の先生に対して目を合わせないところや、時折クセになってしまっている「タメぐち」が出たりするところはありましたが取り乱すこともなく円満に話ができました。

担任の先生は親御さんにおっしゃいました。

「3か月前に来た時とは別人のようにシャンとしてますね。彼が学校に来れる日を楽しみにしています」

訪問カウンセラーとの信頼関係も作られていき、登校に関する意識も本人の中に芽生えてきていることがうかがえました。しかし、登校への意識が芽生えるということは裏を返せば、「リアルに自分が学校へ行くようになることを想像できる」ということと同義ですので、当然、家庭内で不安な気持ちが爆発したり、親に対して惑わす発言をしたりすることが予想されます。このケースでは特にそのようなことが起こるだろうということが予想されたため、事前に親御さんに「このようなケースのときにはこのようにして下さい」ということを綿密に打ち合わせをしておきました。

さて次はいよいよ、登校予定日前日のお話です。 長くなってきましたので続きは△能颪たいと思います。


 △愨海